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仕組債の評価

投資リスク管理

仕組債とは、外貨・株式などの市場指標と連動して、元利金の支払額が変動するタイプの債券をいいます。

仕組債で資金調達を行う際には、為替レート(米ドル、ユーロ、豪ドルなど)や株価指数(日経225インデックスなど)に連動して利払いや償還を行うことから、 投資家にハイイールド(高利回り)の債券を発行することができます。

仕組債の発行体(仕組債を発行する会社)は、通常、高格付けの会社が利用されていますが、

当社は、会計・税務・金融工学に精通したプロフェッショナルから構成され、 数多くの仕組債及び仕組債付社債の評価を実施しています。

ファイナンスを行う際には、優先劣後構造を設ける場合がよくあります。
これは、資金調達先によってリスク・リターンの選好が異なるため、 それぞれの資金調達先に応じたファイナンスを行う必要があるためです。
ここで、優先劣後構造を設けることを、トランチング(Tranching)、各部分をトランシェ(Tranche)といいます。

外貨関連仕組債について

現在では数多くの仕組債が発行されていますが、為替関連の債券を分類していくと、以下のようになります。

# 種類 利息 元本償還 レバレッジ
1 外貨建債券 外貨 外貨 -
2 デュアル・カレンシー債 円貨 外貨 -
3 リバース・デュアル・カレンシー債 外貨 円貨 -
4 パワー・リバース・デュアル・カレンシー債 外貨 円貨

「外貨建債券」は、外貨で発行され、外貨で償還されるもので、外国の債券に日本の投資家が投資する場合の、 一般的な名称になります。
為替リスクとの関係でいうと、元本と利息が外貨での受取となるため、元本・利息の両方に為替リスクを有する債券です。

「デュアル・カレンシー債」とは、二通貨建(デュアル)の債券のことですが、 元本が外貨建で償還され、利息が円建で受け取るタイプの債券です。
為替リスクとの関係でいうと、元本が外貨建、利息が円建であるため、元本のみが為替リスクを有する債券です。

「リバース・デュアル・カレンシー債」とは、「デュアル・カレンシー債」の逆(リバース)という意味ですので、 元本が円建で償還され、利息が外貨建で受け取るタイプの債券です。
為替リスクとの関係でいうと、元本が円建、利息が外貨建であるため、利息のみが為替リスクを有する債券です。

「パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)」は、 「リバース・デュアル・カレンシー債」にレバレッジが掛かった債券です。
リバース・デュアル・カレンシー債を基本としていますが、受取利息が「α×FX/FX0−β」のように設定されていることから、 レバレッジが掛かっています。円安時にはより高い利息を得ることができます。
為替リスクとの関係でいうと、元本が円建、利息が外貨建であるため、 利息のみが為替リスクを有する債券です。

上記の債券から発生するキャッシュ・フローを図解すると、以下のようになります。

外貨建債券

外貨建債券

デュアル・カレンシー債

デュアル・カレンシー債

リバース・デュアル・カレンシー債

リバース・デュアル・カレンシー債
外貨・円貨

パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)の金利

上記で、外貨建債券、デュアル・カレンシー債、リバース・デュアル・カレンシー債、 パワー・リバース・デュアル・カレンシー債の概要を簡単に説明しましたが、 多通貨仕組債の仕組は、少し複雑ですので、ここで少し解説します。

4種類のうち、最も仕組が複雑なものは、パワー・リバース・デュアル・カレンシー債です。
このタイプの債券は、評価が非常に複雑で時価評価が困難な商品であるにも関わらず、 多くの金融機関が販売しています。

パワー・リバース・デュアル・カレンシー債は、場合によっては、元本が外貨建で発行される場合もあり、 この場合は、より為替リスクが高まります。

一見、高金利の優れた商品のように見えますが、仕組が非常に複雑なので、購入の際には、 ある程度のレベルの専門家にご相談されることをお勧めします。

まずは、パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)の金利に関する特徴について解説します。

パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)の為替レートの変動による金利受取額を、 デュアル・カレンシー債(DC債)とリバース・デュアル・カレンシー債(RDC債)の為替レートの変動による 金利受取額と比較すると、下記のようになります。
※外貨建債券は、RDC債と同じ利率となります。

図は、下記の金利が設定されているとして仮定した場合のサンプルです。

PRDC債 = 15% × FX ÷ 100 − 10%(下限0%)
DC債 = 5%
RDC債 = FX × 5%

PRDCのペイオフ

PRDC債の金利は、「α × FX ÷ FX0 − β」のように、為替レートに影響をうける金利となります。
ここで、
α:外貨金利のベース金利
β:円金利のベース金利
FX:為替レート(スポット・レート(変動):当日の為替レート)
FX0:基準為替レート(ストライク(固定):基準となる為替レート)
というようになります。

デュアル・カレンシー債(DC債)は、利息が円建での受取となりますので、一定です。
これに対して、リバース・デュアル・カレンシー債(RDC債)は、外貨での金利受取となりますので、 為替レートの変動によって、受取金利が変動します。

パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)は、上記のβ(図では10%)がマイナス値として設定されていますので、 為替レートがある一定水準までは0%となりますが、一定水準以上の円安の場合、 急速に増加していく特徴があります。



パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)の元本償還

パワー・リバース・デュアル・カレンシー債は、場合によっては、元本が外貨建で発行される場合もあり、 この場合は、より為替リスクが高まります。

PRDC債は、高金利の優れた商品のように見えますが、仕組が非常に複雑で一般的な投資家には、 ほとんどリスク判断が不可能です。
特に元本が外貨建のタイプは、急激な円高が発生する際には、急激な評価損が発生します。
購入の際には、ある程度のレベルの専門家にご相談されることをお勧めします。

ここでは、元本が為替レートに連動したレバレッジが掛かっているタイプの償還額について解説します。

左図は、下記の償還為替レートが設定されているとして仮定して算定しています。
PRDC債 = 100 ÷ 80 × FX
DC債 = FX × 100
RDC債 = 100

※外貨建債券は、RDC債と同じ利率となります。

PRDCの償還額

このタイプのPRDC債の元本償還額は、「α ÷ β × FX」のように、為替レートに影響を受けることとなります。
ここで、
α:円建元本
β:償還基準レート(ストライク(固定))
FX:為替レート(スポット・レート(変動):当日の為替レート) というようになります。

リバース・デュアル・カレンシー債(RDC債)は、元本が円建ですので、償還額は一定です。
これに対して、デュアル・カレンシー債(DC債)は、外貨での元本償還となりますので、 為替レートの変動によって、受取額が変動します。

パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)は、上記のα÷β(図では12.5)が設定されていますので、 為替レートによって、急速に増加していく特徴があります。



パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)のコール条項

PRDC債は、高金利の優れた商品のように見えますが、仕組が非常に複雑で一般的な投資家には、 ほとんどリスク判断が不可能です。
特に元本が外貨建のタイプは、急激な円高が発生する際には、急激な評価損が発生します。
購入の際には、ある程度のレベルの専門家にご相談されることをお勧めします。

PRDC債の特徴として、「コール条項」があります。

「コール=買う権利」ですが、発行体が買戻しをすることができることを契約上定めています。

パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)は、一般的に発行体のコール条項(早期償還条項)が 付与されています。
このコール条項により、発行体は為替レートの水準等により、発行体に不利な経済環境になった場合、 強制的にPRDC債を償還することができます。すなわち、原則として、時価>発行額となることはありません。

下記は、為替レートによるPRDC債の時価評価額のサンプルですが、 基本的に、発行額(下図では100)を上回ることがないように設計されています。

PRDCのコール条項

上記のように、PRDC債の時価評価額は、発行額(投資家の投資額)を上回る可能性が極めて低いことから、 投資家は常に時価評価損を抱えることとなります。



仕組債の信用リスク

仕組債で資金調達を行う際には、為替レート(米ドル、ユーロ、豪ドルなど)や株価指数(日経225インデックスなど)に連動して利払いや償還を行うことから、 投資家にハイイールド(高利回り)の債券を発行することができます。

例えば、仕組債の仕組は比較的複雑で、代表的な仕組債であるPRDC債の場合、下記のような利息が設定されたりします。

PRDC債の利息 = 15% × FX ÷ 100 − 10%(下限0%)
※FXは、利払日などの為替レート

投資家の観点にたった場合、為替レートの変動によってPRDC債のクーポンを得ることを目的にしていて、 為替レート以外のリスクを取りたくない、と考えるのが普通だと思います。

仕組債は、社債であるため、当然に発行体(社債を発行する会社)の信用リスク(発行体が倒産するリスクなど)を受ける訳ですが、 投資家は為替リスクは取っても、信用リスクを取りたくないため、倒産等がほとんど発生しないであろう企業(信用リスクが極めて低い会社など)を仕組債の発行体として欲しいと思います。

信用リスクが低いということは、信用格付が高格付(例えば、AAA格)であることを意味しますが、高格付けの企業を発行体として仕組債を発行する必要があります。

このような理由から、仕組債の発行体として、高格付の企業に発行を依頼しないといけない訳ですが、このようなニーズに合致した企業が、欧州の政府系金融機関等でした。

欧州の仕組債の発行体として利用されていた企業は、例えば、下記のような企業でした。

  • ノルウェー輸出金融公社(Eksportfinans)
  • ノルウェー地方金融公社
  • ドイツ復興金融公庫
  • スウェーデン地方金融公社
  • スウェーデン輸出信用銀行
  • フィンランド地方金融公社

このうち、「ノルウェー輸出金融公社」は、ノルウェーの企業が輸出をしたときに、その輸出先からの支払い代金を担保に、 企業に資金を融資(先に代金を立て替えること)していました。
「ノルウェー輸出金融公社」は、その支払い代金を担保にしていたおり、リスクアセットは20%(恒久的免除)とされていましたが、 変更により今後100%になりますす。 この結果、以前は政府から免除されていたEUの資本要求指令(CRD:Capital Requirements Directive)が課されることとなり、 実質的に新規貸出を行うことを停止することを求められました。

また、実質的にも業務が停止されるということもあり、2011年12月19日に「ノルウェー輸出金融公社」は、発行するサムライ債について米ヘッジファンドから デフォルト(債務不履行)を宣言されました。

Moody'sやS&Pにおいても、「ノルウェー輸出金融公社」の発行体格付けを投資不適格(BBBよりも低い格付)とし、大幅に信用力が低下することになりました。

Bloombergニュースから抜粋

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は15日、ノルウェー輸出金融公社の格付けをジャンク級(投機的格付け)に引き下げた。
ノルウェー政府は同公社を段階的に縮小することを決めており、S&Pは政府がこれ以上の支援を提供しないことを示唆しているため格下げを決めたと説明した。

S&Pは同公社の格付けをジャンク級で最高の「BB+」とし、これまでの「BBB+」から3段階引き下げた。見通しは「ネガティブ(弱含み)」。クレジットウォッチからは外した。

初めに記載しましたが、仕組債はそもそも複雑な仕組を有して発行されるため、信用リスクを排除することが行われてきましたが、 「ノルウェー輸出金融公社」の格付けは投資不適格となってしまい、仕組債はジャンク債となってしまいました。

通常の仕組債は、信用リスクを排除して発行されているため、為替レート以外の影響はほぼ受けないと考えてもいいと思いますが、 「ノルウェー輸出金融公社」の場合は、信用リスクを加味して価格を計算しなければなりません。

特に、仕組債の発行期間は超長期(例えば、30年)になるため、信用リスクによって、相当ディスカウントをしなければなりません。



弊社の仕組債評価の特徴

当社は、リーズナブルな価格で、大量の評価を行うことに特化して業務を行っています。

  • リーズナブルな価格設定
    システム化して評価を実施することから、簡易な評価をリーズナブルな価格で提供

  • 短時間での報告書ドラフトの提出
    簡易版評価の場合は、通常1週間程度で、基準日以前を用いた参考評価(報告書ドラフト)を提出

  • 発行時における対応
    評価書フォーマット及び評価方法の確定後、時価評価基準日(割当決議日、割当日)の株式市場が閉まった後、 最短で1〜2時間程度で評価書をご提出いたします。

  • 大量案件の評価
    バルク評価のシステムを有しているため、大量の仕組債を一括して評価

お申込・お問い合わせ

具体的な評価の内容、金額に関しては、 こちら からお問い合わせ下さい。


取扱案件

下記は、弊社が評価したことが公表されている場合を含め、具体的な名称等を非開示としております。

  • ジャスダック上場企業(建設業)の優先株式発行時のサポート・評価
      ジャスダック上場企業の発行する普通株式転換型優先株式・仕組債の発行時における、割当契約書・発行要項の作成、時価評価(投資家サイド:東証1部上場ノンバンク)

  • 非上場ベンチャー企業(IT業)が東証1部上場企業(電気機器業)向けに発行する優先株式の発行時のサポート・評価
      非上場ベンチャー企業が発行する優先株式の割当契約、発行要項の作成、払込価格の算定(発行体サイド)

  • ジャスダック上場企業(IT業)の優先株式の評価
      ジャスダック・ヘラクレス上場企業の発行するM&Aに関するメザニン・ファイナンス(普通株式転換型優先株式・仕組債)の発行時における、有利発行判定のための時価評価(発行体サイド)

  • マザーズ上場企業(不動産業)の優先株式の評価
      マザーズの発行するコーラブル仕組債付社債(MSCB)の発行要項の作成、オプション評価額の算定(投資家サイド:発行会社)

  • 非上場ベンチャー企業(IT業)が国内投資ファンドに対して発行する優先株式の発行時の評価
      非上場ベンチャー企業が発行する優先株式の払込価格の算定(発行体サイド)

  • 東証1部上場企業(サービス業)発行の仕組債付社債の償還時のアドバイザリー業務
      東証1部上場企業が国内投資ファンドに対して発行する優先株式の償還時のアドバイザリー業務(発行体サイド)

  • 国内銀行が保有する優先株式の評価
      国内金融機関が保有する優先株式の期末時価評価(7銘柄)

  • 国内信託銀行が保有する優先株式の評価
      国内信託銀行が保有する優先株式の期末時価評価(3銘柄)

  • 非上場ベンチャー企業(繊維製品業)が保有する上場企業が発行する優先株式の売却価格の算定
      非上場ベンチャー企業が保有する優先株式の売却価格の算定(投資家サイド)

  • 国内銀行が発行する優先株式の期末時価評価
      東証2部上場企業が保有する、国内銀行が発行する優先株式の期末時価評価(投資家サイド)

  • マザーズ上場企業(不動産業)が発行する優先株式の期末時価評価
      マザーズ上場企業(不動産業)が発行する優先株式の期末時価評価(投資家サイド)

  • 2011年:ジャスダック上場企業(小売業)が国内投資ファンドに対して発行する劣後株式の発行時の評価
      ジャスダック上場企業が発行する普通株式転換条項付劣後株式の割当価額の妥当性判断のための価格算定(発行体サイド)

  • その他多数



    具体的な評価の内容、金額に関しては、 こちら からお問い合わせ下さい。




    関連項目

    1. 外貨関連仕組債について
    2. パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)の金利に関する特徴
    3. パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)の元本償還に関する特徴
    4. パワー・リバース・デュアル・カレンシー債(PRDC債)のコール条項
    5. 仕組債の信用リスク